たんぽぽ舎です。【TMM:No1030】
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     地震と原発事故情報  その(15)
     
 4つの情報(東京からの脱出の是非、武田邦彦レポート、20日の新聞トピックス等) 

 東京から避難する必要はあるのか

 たんぽぽ舎には今電話、メール、FAXが殺到しています。休暇をとったボランティアスタッフの何人もの助けで、やっとこれらへの対応をしています。その中で1番多い質問は、「東京から避難する必要はあるか」「東京から避難した方がよいかどうか」の質問です。
 これへの、現時点での回答です(柳田)。

第1 避難を考える基準は、出た放射能の量と、風向きと距離です。これまでは海に向けて風が吹いていることに助けられて、放射線量が低めに推移しているようにみえます。(海の魚にとっては大迷惑。汚染する。濃縮する。将来それを食べる人間も汚染する。食物連鎖の頂点に立つ人間だから)
放射能がどれ位出ているかどうか――この基準について政府は正確な数値を公表すべきです。(文部科学省の、全国各地の公表数字はネットで調べられる。)

第2は風向き。気象予報に注意を。朝と夕で風向きが変わることが多い。東京に向かって風が吹いて来る時は危険。

第3は距離。放射能は放射源から距離が離れれば離れるほど弱くなる。したがって、逃げる=距離を大きくするのが1番。
東京は福島第1原発から250キロ離れているので、風速6mならば、時速になおすと21km(6×60×60 )、従って250÷21=12時間(直線距離で来ると仮定して)。東京へ来るまでは「12時間以上」と考えられます。
雨には十分注意して下さい。雨で濡れてはいけない。

● 福島現地では30km圏外へすぐ避難させるべきだ。現在20−30kmは自宅退避の指示。これを改めて、この圏内の人も早くもっと遠くへ避難させるべきだ。
  
2 原子力委員会専門委員、放射線に関するマスコミ報道を批判

・  マスコミ、特にテレビでは「600マイクロシーベルトは、胃のレントゲンで浴びる放射線と同程度」等と放射線を怖がらないようにと盛んに報道している。
・  これに対し、原子力を推進してきた原子力委員会の専門委員を現在務めている中部大学教授武田邦彦氏は、ブログでこれを「政府・マスコミはごまかし。危ない!!」と警告している。
・  武田氏は放射線の影響は一瞬で終わるレントゲンとは全く違うと言い切り、原発の二重の容器が破裂する最悪の事態を想定して被爆量を計測する計算式を提示している。
・  一定の放射線の中で人が42日間生活した場合の係数として2万5000という係数を出した。例えば30km圏内で屋内退避命令が出ている福島県浪江町。この浪江町で測定された放射線量160マイクロシーベルトと330マクロシーベルトの平均値である245マクロシーベルトに係数を掛ける計算式にあてはめたところ、被曝量は約6000ミリシーベルトになる。
・  これは赤ちゃんが死亡し、大人が白血病になる数値である。原発の容器が破裂しない場合でも約600ミリシーベルトになる。武田氏はこの放射線量が続いたら子供も親も白血病になるだろう。すぐに退避しなければならない。」と警告している。(日刊ゲンダイ3月19日号の文の要約)

3 福島の牛乳、茨城のホウレンソウ、規制値超す放射性物質

 政府は19日福島第1原子力発電所の事故後実施した食品のサンプル調査で、福島県川俣町の酪農家が提出した牛乳と、茨城県内の6市町村のホウレンソウから、食品衛生法の暫定規制値を超える放射性ヨウ素などの放射性物質が検出されたと発表した。
 今後原発事故の推移を見て調査を続け、一定区域内の産品の出荷制限などを検討するとしている。

4 防災対策は「10キロ以内」の国の指針は不十分3

 今回の原発震災は、国の策定したEPZ(防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲)
 8〜10km以内の設定が全くの机上の空論であったことを暴露した。今回、避難指示は半径20km。屋内待避は20〜30km。圏内の広野町職員は「近隣自治体と原子力災害対策計画を定めた避難経路の範囲は半径10km。10km以上は安全と思っていた。」市の3分の2が30km圏内になった南相馬市職員も、「原発事故の待避計画は聞いたことがない」と。こうした国の設定が、今回の事態による混乱に拍車をかけた。

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